国際バカロレアに合う生徒と合わない生徒

国際バカロレアはとても素晴らしいプログラムだと思い、子供達をIB(国際
バカロレア)認定校に通わせています。

何年か傍らから見守っていて、少なからずこのプログラムには
合う子と合わない子がいるなぁ、と思っています。

私立の学校なので、付き合いの長い子だと、それこそ幼稚園からの付き合いになるので、
親も子も知れた仲です。クラスメイトの子供達の性格なんかもお互いによくわかっています。

そして、みんな一緒のまま進んで行くのかな、と思いきやそうでもないです。

小学校に上がる時、中学、高校に上がる時、それぞれ進路が変わってきます。

決して脱落ではなく、選択でしょう。
進路選択は各々事情もあるでしょうし、どれが正しいわけではありません。

参考記事

しかしながら、ちっちゃい頃からクラスメイトを見てきた中で
国際バカロレアに合うキャラクター(性格)というものありそうだなと感じています。

もしかしたらそれは、IBの学習者像の裏返しとも言えるかもしれません。

IB学習者像に当てはまる生徒はIBに向いてる生徒、続けられる生徒

国際バカロレアの学習者像というものをご存知ですか?

生徒たちはIBの学習者として下記10の目標に向けて努力をしなければ
ならないのです。

生徒たちは授業の度、課題の度、面談の度、この学習者像を意識させられて
いますよ。

これは本当で、これまで何度も受けた三者面談でも先生から「今学期はどの
profileが頑張れた?」なんて聞かれてますし、タスクシートにもこの課題
ではこのprofileを意識して臨むように、と明記されています。

さてどのようなものかというと。

IBの学習者像(Lerners profile)

IBの学習者像

すべてのIBプログラムは、国際的な視野をもつ人間の育成を目指しています。人類に共通する人間らしさと 地球を共に守る責任を認識し、より良い、より平和な世界を築くことに貢献する人間を育てます。
IBの学習者として、私たちは次の目標に向かって努力します。

探究する人
私たちは、好奇心を育み、探究し研究するスキルを身につけま す。ひとりで学んだり、他の人々と共に学んだりします。熱意 をもって学び、学ぶ喜びを生涯を通じてもち続けます。

知識のある人
私たちは、概念的な理解を深めて活用し、幅広い分野の知識を 探究します。地域社会やグローバル社会における重要な課題や 考えに取り組みます。

考える人
私たちは、複雑な問題を分析し、責任ある行動をとるために、 批判的かつ創造的に考えるスキルを活用します。率先して理性 的で倫理的な判断を下します。

コミュニケーションができる人
私たちは、複数の言語やさまざまな方法を用いて、自信をもっ て創造的に自分自身を表現します。他の人々や他の集団のもの の見方に注意深く耳を傾け、効果的に協力し合います。

信念をもつ人
私たちは、誠実かつ正直に、公正な考えと強い正義感をもって 行動します。そして、あらゆる人々がもつ尊厳と権利を尊重し て行動します。私たちは、自分自身の行動とそれに伴う結果に 責任をもちます。

心を開く人
私たちは、自己の文化と個人的な経験の真価を正しく受け止め ると同時に、他の人々の価値観や伝統の真価もまた正しく受け 止めます。多様な視点を求め、価値を見いだし、その経験を糧 に成長しようと努めます。

思いやりのある人
私たちは、思いやりと共感、そして尊重の精神を示します。人 の役に立ち、他の人々の生活や私たちを取り巻く世界を良くす るために行動します。

挑戦する人
私たちは、不確実な事態に対し、熟慮と決断力をもって向き合 います。ひとりで、または協力して新しい考えや方法を探究し ます。挑戦と変化に機知に富んだ方法で快活に取り組みます。

バランスのとれた人
私たちは、自分自身や他の人々の幸福にとって、私たちの生を 構成する知性、身体、心のバランスをとることが大切だと理解 しています。また、私たちが他の人々や、私たちが住むこの世 界と相互に依存していることを認識しています。

振り返りができる人
私たちは、世界について、そして自分の考えや経験について、 深く考察します。自分自身の学びと成長を促すため、自分の長 所と短所を理解するよう努めます。

この「IBの学習者像」は、IBワールドスクール(IB認定校)が価値を置く人間性を 10 の人物像として表して います。こうした人物像は、個人や集団が地域社会や国、そしてグローバルなコミュニティーの責任ある一員となることに資すると私たちは信じています

どれも素晴らしいパーソナリティ。
こんな生徒に育ってくれたらどんなに素晴らしいと思いますが
実践することはそんなに簡単ではないですよね。

IB learner profile(IBの学習者像)は永遠のテーマと言ってもよい程。
口で言うのは簡単ですが、私達大人にとっても完璧にそう振舞うことは
難しいことだと思います。

IBの学習者像の実践

せっかくなのでちょっと深掘りしてみたいと思います。

具体的にIBの学習者像を実践する場面を思い浮かべてみたいと思います。

例えば、探求する人。

口で言うのは簡単だし、かっこよかったりもするけれど、行動するのは大変です。

テーマに対して、どうしてこうなるの?
  ↓↓↓↓
   仮説
  ↓↓↓↓
なぜその仮説?
  ↓↓↓↓
 仮説の仮説

問いは永遠にループしていきます。

「なんかこういうのめんどくせぇ。」
と感じてしまうと次第にやる気がなくなってしまうかもしれません。

頭の回転が速くてぱっと問題を解けてしまうような子、
「解けた!」が楽しい子にはそんな風に感じるかもしれません。

深く考えるほどタスクなどにも時間がかかりますから、運動部との両立も
なかなか大変です。外で体を動かすことが大好きな活発なお子さんは
窮屈に感じてしまうかもしれませんね。

それと、そもそも勉強が好きでないと、続けるのは難しいでしょう。

もう一つ、事例を挙げて考えてみます。

例えばIBでは、ボランティア活動をとても重視しています。そして、その質
も問われます。

ボランティアは初級・中級・上級と3段階に分けられていて、学年が上がる
につれて求められるものが高くなってきます。

初級だと地域のお掃除などに「参加」でよいのですが、マスタリーと呼ばれる
上級ボランティアになると企画・組織運営と「主体的な担い手」であること
が求められます。

高校生にもなると、自分達で仲間を集め団体を作り、どんなことができるの
か企画し、学校を飛び出して(学校外のコミュニティで)実行しています。

そんな彼らの活躍をIBの学習者像に当てはめるなら?

心を開く人
思いやりのある人
挑戦する人

何もないところから始めて形にする、実行する、継続する。
素晴らしい活動が沢山報告されています。

このくらいやって初めてIBの学習者像に近づけるというものです。

私達大人も脱帽ですね。
私が中学生、高校生だった時にこんな活動できただろうか?

このように「learner profile」を楽しみながら実践できる生徒が、
すなわち国際バカロレアに向いている生徒ということになるのではない
でしょうか。

国際バカロレアDPを資格取得できる生徒と脱落する生徒の差

さて楽しく学べることに越したことはないのですが、DP最終学年(2年目)
の秋(11月頃)には資格試験が待ち受けています。

もちろん万全にして臨むことは大切ですが、IBの資格取得で一つ忘れては
ならないことは一般の入試のように一発ものの試験で評価されるものでは
ないということです。

つまり、「まぐれで受かった」はありえない!

11月の試験の結果だけではなく、これまでの課題や活動が全て対象となる
ということです。

CAS(主に奉仕活動)、
Extended Essay(自由課題論文)、
TOK(知の理論)

があります。

この他にも出願の準備(書類・自己アピール文・小論文など)も
準備しなければなりません。

まさに時間との闘いです。

ここで考えていただきたいことは、

国際バカロレアの資格を取得できる生徒と脱落する生徒の差、それは何なのか?

ということです。
(ここではあえて「脱落」という言葉を使いました。)

これは間違いなく「時間管理」だと思います。

「時間管理」=タイムマネジメント

実際、資格取得した多くの卒業生も語ってくれています。
「時間の管理が一番大変だった。」と。

質も保ちながら、数多くの締め切りに必ず間に合わせることは容易なことではありません。

でも大変な思いをしながらも、皆さん大きく成長しているように見えました。

「はぁ、果たしてうちの子供達は 大丈夫なのだろうか…?(汗)」
(これは独り言ということで。)

国際バカロレアは本当にハードだけれど、得るものも大きいように思います。

傍にいることしか出来ないけれど、一生懸命応援します。